Negicco/「愛、かましたいの」
Negiccoのベスト・アルバムに、KIRINJI(キリンジ)が提供した新曲が収録されるらしいんですが、ほんとNegiccoは、渋谷系周辺のミュージシャンのバック・アップがすごいですね。
ちなみに、PVをアップした、「愛、かましたいの」は、堂島孝平さん作詞・作曲・プロデュースです。
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日曜日に休日出勤した朝間さんと多田ちゃんは、まだ車の中に居た。
走行中の車は、今度は湾岸沿いを走っていた。
朝間さんと多田ちゃんは、さすがに話すこともなく、無言が続く。
車内では、ラジオや音楽もかけておらず、車のエンジン音だけがする。
すると、対向車線から、青い戦車が走ってきた。
車内からでも聴こえるくらい、大きな音でファンキーな音楽を流しながら走ってくる。
そして、朝間さんと多田ちゃんが乗っている車とすれ違った。
思わず朝間さんは声を上げた。
朝間さんは「なに、あの青い戦車?」
多田ちゃん「え?戦車?」
朝間さん「いや、ほら、今、大音量で音楽流しながら走ってきた青い戦車」
多田ちゃん「なに言ってんすか~。普通の道路に戦車なんて走ってないでしょう」
多田ちゃんはそう言うと、バック・ミラーで、後方を確認したが、青い戦車は見えなかった。
多田ちゃん「朝間さん、青い戦車なんて走ってないじゃないっすか~」
朝間さん「え?嘘?」
朝間さんは振り向き、窓から後方を確認したが、青い戦車は見えなかった。
朝間さんが見た青い戦車は、朝間さんが見た幻だったのかもしれない。
でも、青い戦車が大音量で流していた音楽の、「教えて、愛の意味を」という一節が、朝間さんの耳に妙に残っていた。
いや、その音楽すら、朝間さんが聴いた幻聴だったのかもしれない。
朝間さんは窓から夜空を見上げた。
すると、チカチカ点滅する星が、海に落ちていった。
サニーデイ・サービス/「青い戦車」
(つづく!)
とある雨の日曜日。
いつもだったら、日曜日は仕事が休みだが、朝間さんと多田ちゃんが働いてる部署が抱えてるとあるプロジェクトが終わっておらず、その日、朝間さんと多田ちゃんは休日出勤した。
夜になり、仕事の目途がつくと、多田ちゃんが言った。
多田ちゃん「朝間さん、俺、今日車なんで、送っていきますよ」
朝間さん「え?いいの?」
多田ちゃん「はい」
朝間さんと多田ちゃんは、ロッカー・ルームで作業着から私服に着替え、扉の戸締りをし、工場を出て、工場内にある駐車場まで少し歩いた。
そのころには、雨はもう止んでいた。
駐車場にたどり着くと、朝間さんと多田ちゃんは、車に乗り込んだ。
多田ちゃんがエンジンをかけ、車を走らせて、しばらくすると、やたら都会的な街に出た。
窓から外を眺める朝間さん。
そんな、朝間さんが言った。
朝間さん「なんかやたらオシャレな街だけど、ここどこ?」
多田ちゃん「え?港区っす」
朝間さん「港区?多田ちゃん、こんなとこに住んでんの?金持ちなんだあ」
多田ちゃん「違いますよ。ただの通り道っすよ。それに、先に朝間さん家に向かってるんですから」
朝間さん「ふ~ん」
そして、再び、窓から外を眺める朝間さん。
そんな都会的な街を見ていると、都会的な街に縁もないのに、急に感傷的な気持ちになり、過去を振り返る気分になった。
あのころああしてれば、あのときの決断は正しかったのか、自分が歩んできた道は間違いじゃなかったのか、なんの結論も出ないが、そんな想いが頭の中を駆け巡った。
まあ、そんな大きな決断をしてきた人生ではないけれど。
というのは、朝間さんの脳内での出来事であって、現実の世界では、朝間さんと多田ちゃんはこんなやりとりをしていた。
朝間さん「多田ちゃんさあ。なんか、多田ちゃんと二人でこんなオシャレな街を走ってると、俺、多田ちゃんとデートしてるみたいだよ~」
多田ちゃん「朝間さん、なに気持ち悪いこと言ってるんすか。デートしたいなら、彼女作ってくださいよ~」
朝間さん「無理、無理ー。俺、モテないから、無理ー」
そんな日曜日なのであった。
小沢健二/「流動体について」
(つづく!)
とある工場のお昼休みにて。
浮かない顔をしている朝間さん。
そんな朝間さんに多田ちゃんが声をかけた。
多田ちゃん「どうしたんですか、朝間さん。浮かない顔してますけど」
朝間さん「恋愛でちょっと・・・」
多田ちゃん「恋愛?」
朝間さん「・・・・・・」
一瞬の沈黙。
すると、朝間さんが言った。
朝間さん「フラれた・・・」
多田ちゃん「え?フラれた?」
朝間さん「多田ちゃん、優しくしないで~。今優しくされると、俺、泣いちゃうから・・・」
多田ちゃん「優しくしないでって、俺まだ大したことなんも言ってないっすけど・・・」
朝間さん「・・・・・・」
一瞬の沈黙。
すると、多田ちゃんが言った。
多田ちゃん「つーか、朝間さん、彼女いたんすか?初耳だなあ」
朝間さん「いや、彼女じゃない」
多田ちゃん「じゃあ、誰なんすか~」
朝間さん「ガールズ・バーの店員」
多田ちゃん「ガールズ・バー店員って・・・」
朝間さん「・・・・・・」
多田ちゃん「つーか、朝間さん、ガールズ・バーとか行くんすか?」
朝間さん「いや、今回が初めて」
多田ちゃん「初めて?」
朝間さん「地元の友達が遊びに来ててさあ、その友達と飲んでて、二軒目にガールズ・バーに行ったの。それで、そのお店にかわいい娘がいてさあ、その娘に連絡先聞いたら、あ、連絡先っていうか、LINEのID聞いたら、速攻断られてさあ」
多田ちゃん「それ、恋愛が始まってすらないっていうか・・・」
朝間さん「多田ちゃん、優しくしないで~。今優しくされると、俺、泣いちゃうから・・・」
多田ちゃん「特別優しくするようなこと、なんも言ってないっすけど・・・」
ガールズ・バーの店員にLINEのIDを聞いて、断られただけなのに、ひどく落ち込んでる様子の朝間さんなのであった。
MGF/「優しくしないで’94」
MGF Feat. 曽我部恵一/「優しくしないで’95」(LIVE)
(つづく!)
とある工場のお昼休みにて。
どこか浮かない顔をしている多田ちゃん。
そんな多田ちゃんに朝間さんが声をかけた。
朝間さん「どうした、多田ちゃん。浮かない顔してるけど」
多田ちゃん「実は最近、あんま彼女と会えてなくて・・・」
朝間さん「なんで?ケンカでもしてるの?」
多田ちゃん「いや、そういうわけじゃないんですけど、いろいろと忙しくて、なかなか時間作れなくて・・・」
朝間さん「ふ~ん、それで彼女が怒ってるとか?」
多田ちゃん「いや、怒ってはいないんですけどねえ。向こうも「気にしないで」って言ってるし」
朝間さん「じゃあ、いいじゃん」
多田ちゃん「でも、なんか、気になるじゃないっすか。なかなか時間作れなくて悪いなあって」
朝間さん「なにグチグチ悩んでるんだよ~」
多田ちゃん「まあ、そうなんすけどねえ・・・」
一瞬の沈黙。
すると、朝間さんが言った。
朝間さん「多田ちゃん」
多田ちゃん「はい?」
朝間さん「恋はDon't Think,Feelだよ」
多田ちゃん「え?なんすか、それ?ブルース・リーっすか?」
朝間さん「いや、ブルース・リーってわけじゃないけどさあ、あんま深く考えないでさあ、会いたいときに会ってさあ、感じるままに行けばいいんだよ」
多田ちゃん「そうっすかねえ・・・」
一瞬の沈黙。
すると、多田ちゃんが言った。
多田ちゃん「じゃあ、朝間さんは、恋愛で悩んだり考えたりしないんですか?」
朝間さん「え?例えば、どんなときに?」
多田ちゃん「例えば・・・、好きな女の人がいて、どういうふうにアプローチするかとか、初めてのデートとか」
朝間さん「そうだなあ・・・」
多田ちゃん「・・・・・・」
朝間さん「好きな女の人がいてかあ・・・」
多田ちゃん「・・・・・・」
朝間さん「アプローチねえ・・・」
多田ちゃん「・・・・・・」
朝間さん「初めてのデートかあ・・・」
多田ちゃん「・・・・・・」
朝間さん「・・・・・・」
朝間さんは、真剣な表情になり、黙り込んでしまった。
しばらく、沈黙が続く。
そんな朝間さんに多田ちゃんが言った。
多田ちゃん「え?朝間さん、めっちゃ考えてるじゃないっすか!」
多田ちゃんには「恋はDon't Think,Feelだよ」と言いつつも、自分のこととなると、深く考え込んでしまった朝間さん。
それを多田ちゃんに指摘され、朝間さんはこんな表情になってしまったのでした。
→ (-_-|||)
Awesome City Club /「Don’t Think, Feel」
(つづく!)
とある工場のお昼休みにて。
午前中に、とあるトラブルを起こしてしまった朝間さん。
そんな朝間さんが、そわそわした様子で言った。
朝間さん「多田ちゃん、どうしよう」
多田ちゃん「なにがですか?」
朝間さん「絶対工場長に怒られるよ」
多田ちゃん「まだわかんないじゃないっすかあ。それに、まだバレてないんだし」
朝間さん「・・・・・・」
一瞬の沈黙。
すると、朝間さんが言った。
朝間さん「あーあ、祈ることしかできないのかなあ?」
多田ちゃん「え?祈るって、なにをですか?」
朝間さん「え?だからあ、工場長に怒られないように」
多田ちゃん「いやいや、祈るってほどのことじゃないでしょう」
朝間さん「・・・・・・」
一瞬の沈黙。
すると、朝間さんが言った。
朝間さん「神様は踊っているのかなあ?」
多田ちゃん「え?神様って、なんか話が大げさになってますよ。どうしちゃったんですか、朝間さん」
すると、朝間さんが、みるみるうちに小さくなっていき、少年に戻ってしまった。
そんな朝間さんが言った。
朝間さん「どうも。I'm a boyです」
そんな朝間さんを見て、困惑する多田ちゃん。
そんな多田ちゃんが言った。
多田ちゃん「どういうこと、これ?」
トラブルを起こてしまい、工場長に怒られるかもしれないというプレッシャーからか、まるで「ドラえもん」の世界のように、少年に戻ってしまった朝間さんなのであった。
サニーデイ・サービス/「I’m a boy」
(つづく!)
先日、小沢健二さんの「我ら、時」を聴きました。
よかったです。
当時の曲たちを久しぶりに聴きましたけど、やっぱり小沢健二さん良いですね。
それで、このアルバムは、ライブ・アルバムなんですけど、ライブ・アルバムとして楽しめると同時に、リアレンジされた当時の曲たち・プラス・新曲を追加した、豪華なベスト盤としても楽しめます(新曲の中では、「時間軸を超えて」が特によかったですかねえ。ブラック・ミュージックの要素と、AORっぽい要素が合わさった感じで)。
あと、曲と曲が、意外なつながり方をするので、曲順を見ないで聴いたほうが、楽しめるかもです。
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