Short Story
サニーデイ・サービス/「幻の光」 幻の光とは、夜の道路を走る車のライトであったり、夜の通りを照らす街灯であったり、夜に持ち主の顔を照らすスマートフォンの明かりであったり、夜が明けるときの太陽の光であったり、日常のあらゆるところにある光なのか…
12月24日の朝、仕事が休みのため、朝間さんは家で寝ていた。 すると、スマートフォンが鳴り、驚いて目覚めた朝間さんは、誰かからの電話かと思い、慌ててスマートフォンを手にとった。 それは電話ではなく、スマートフォンで設定した目覚ましのアラームだっ…
日曜日に休日出勤した朝間さんと多田ちゃんは、まだ車の中に居た。 走行中の車は、今度は湾岸沿いを走っていた。 朝間さんと多田ちゃんは、さすがに話すこともなく、無言が続く。 車内では、ラジオや音楽もかけておらず、車のエンジン音だけがする。 すると…
とある雨の日曜日。 いつもだったら、日曜日は仕事が休みだが、朝間さんと多田ちゃんが働いてる部署が抱えてるとあるプロジェクトが終わっておらず、その日、朝間さんと多田ちゃんは休日出勤した。 夜になり、仕事の目途がつくと、多田ちゃんが言った。 多田…
とある工場のお昼休みにて。 浮かない顔をしている朝間さん。 そんな朝間さんに多田ちゃんが声をかけた。 多田ちゃん「どうしたんですか、朝間さん。浮かない顔してますけど」 朝間さん「恋愛でちょっと・・・」 多田ちゃん「恋愛?」 朝間さん「・・・・・…
とある工場のお昼休みにて。 どこか浮かない顔をしている多田ちゃん。 そんな多田ちゃんに朝間さんが声をかけた。 朝間さん「どうした、多田ちゃん。浮かない顔してるけど」 多田ちゃん「実は最近、あんま彼女と会えてなくて・・・」 朝間さん「なんで?ケン…
とある工場のお昼休みにて。 午前中に、とあるトラブルを起こしてしまった朝間さん。 そんな朝間さんが、そわそわした様子で言った。 朝間さん「多田ちゃん、どうしよう」 多田ちゃん「なにがですか?」 朝間さん「絶対工場長に怒られるよ」 多田ちゃん「ま…
とある工場のお昼休み、休憩室にて。 午後に本社で会議があるため、作業着からスーツに着替えた朝間さん。 そわそわした様子の朝間さんが言った。 朝間さん「あー、なんか緊張してきた」 多田ちゃん「緊張もなにも、本社での会議、初めてじゃないでしょう」 …
僕は東京で会社員をしながら、一人暮らしをしている。 とはいえ、地方出身者ではなく、実家も東京にある。 なので、仕事が休みの日に、月に一度は実家に帰り、そのついでに、実家近くの一軒家に住んでいるばあちゃんのところに寄ったりもする。 実家に帰った…
とある週末、僕と彼女は、居酒屋に夜ご飯を食べに行った。 案内された席に着き、ビールと料理を注文した。 ビールが運ばれてくるまでの少しの間、僕はスマートフォンを見た。 ビールが運ばれてきて、僕はスマートフォンをテーブルに置き、僕と彼女は形だけの…
同棲していた彼女が部屋を出て行った。 長く付き合っていた僕らが別れた原因は、どちらかが浮気したとか、ほかに好きな人ができた、とかではなく、結局のところ、人生を共に過ごすパートナーではないことにお互い気づきたからだ。 二人で話して出した結論だ…
とある飲み会に参加した。 一件目はよくあるチェーン店の居酒屋。 二時間ほど飲んだあと、このままお開きになるのもなんなのんで、誰が言い出したのかは覚えてないけど、その場のノリで、カラオケに行く案が出た。 僕は自分から積極的にカラオケに行くタイプ…
浮かれた気分で歩いていた。 仕事が終わって、気持ちが軽くなっていたからだ。 今はそんな気分だけど、明日にはまた、トラブルがあって、嫌な気分になるだろう。 仕事だけじゃなくて、日常生活でも。 一瞬の休息だ。 夜空を見上げると、月が浮かんでいた。 …
4月のとある日。 その日は遅いシフトのため、僕はお昼過ぎに家を出て、職場に向かった。 まだ桜が咲いてる時期で、その日は風が強く、職場への道を歩いていると、沢山の桜の花びらが宙を舞い、まるで春の嵐のようだった。 そして職場に着き、ロッカー・ルー…
年が明け、お正月休みも終わった仕事始めの日、とある工場のお昼休みにて。 工場内にある休憩室で、お昼ご飯を食べ終え、少しまったりしたころ、新年早々朝から元気がなかった多田ちゃんに、朝間さんは声をかけた。 朝間さん「どうした、多田ちゃん。新年早…