そんなことをふと思いました。

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朝間さんと多田ちゃん2017 第1話「青春の胸騒ぎ」

 

 

とある工場のお昼休み、休憩室にて。

 

午後に本社で会議があるため、作業着からスーツに着替えた朝間さん。

 

そわそわした様子の朝間さんが言った。

 

朝間さん「あー、なんか緊張してきた」

多田ちゃん「緊張もなにも、本社での会議、初めてじゃないでしょう」

朝間さん「まあ、そうなんだけど・・・」

多田ちゃん「・・・・・・」

 

一瞬の沈黙。

 

すると朝間さんが言った。

 

朝間さん「あー、なんかさっきよりドキドキしてきた」

多田ちゃん「なに言ってんすかあ。情けない」

朝間さん「でもさあ、この胸騒ぎは一体なんだろう?」

多田ちゃん「はあ?」

朝間さん「これが青春の胸騒ぎだろうか?」

多田ちゃん「朝間さん、だんだん言ってることが変になってきてますよ。それに、青春とか言ってる歳じゃないでしょう」

朝間さん「まあ、冗談冗談」

多田ちゃん「冗談て、全然笑えないですけど」

朝間さん「・・・・・・」

 

一瞬の沈黙。

 

すると、朝間さんが言った。

 

朝間さん「そういうこと言うんじゃないよ」

多田ちゃん「はいはい」

朝間さん「俺は君の上司だぞ?」

多田ちゃん「なに急にドヤ感出してきてるんすか。本社での会議を前に、緊張してる朝間さんはどこ行っちゃったんすか」

朝間さん「まあ、いいや。じゃあ、行ってくる」

多田ちゃん「えー、切り替え早っ!」

 

多田ちゃんとの会話を終えると、朝間さんはバッグを持ち、工場を出ていった。

 

工場を出てすぐの横断歩道で信号待ちをしている朝間さんに、初夏の日差しが照り付ける。

 

すると、その眩しさから、朝間さんの頭の中で、なにかの回路が切り替わったのか、先のことも考えず、はしゃいでいたあの頃や、昔付き合っていた彼女のことが、フラッシュ・バックした。

 

そんなフラッシュ・バックから、朝間さんは一瞬泣きそうになった。

 

でも今は、工場で働いてる大人の男だ。

 

これが現実だ。

 

あの頃に戻れるわけもない。

 

信号が青に変わる。

 

朝間さんは気持ちを切り替え、今の現実を生きるため、足を一歩踏み出した。

  

 


Awesome City Club/「青春の胸騒ぎ」

 

 

(つづく!)