色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

 

 

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(ネタバレありの感想です)

 

 

先日、村上春樹さんの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読みました。

 

読んだ感じ、主人公が、孤独感漂うというか、孤独を愛するというか、そういったところは、相変わらずですね。

 

 

で、基本的なストーリーは、多崎つくるが、地元名古屋で、高校時代に仲良くしてたグループがあります。

 

しかし、大学入学を機に、東京に出てきた多崎つくるは、少しすると、急にそのグループから、縁を切られてしまいます。

 

そして、数年経ち、大人になり、社会人として働いてる多崎つくるは、ガールフレンドの助言の下、なぜ自分がそのグループから、急に縁を切られたのか、真実を知るために、当時の友人たちに会いに行くといったストーリーで、ちょっと推理小説っぽい感じもあって、今までの村上春樹作品にないタイプの作品だなあと思ったりしました。

 

 

ただ、最後、多崎つくるは、クロに会いにフィンランドに行き、そして、フィンランドから日本に帰ってきて、沙羅と会う約束をします。

 

そのあと、急に、駅についての考察や、自分がしてる腕時計から、自分や家族について振り返ったりする、結構長いパートがあるんですが、このパートいる?、と思ったりしました。

 

最初のほうや、中盤であるならまだしも、なんで、最後に急にこのパートが来るのかと。

 

 

そして、沙羅と会う約束をして、その日を待つ間、とある夜に多崎つくるは、沙羅に電話をします。

 

だが、電話はつながりません。

 

そして、多崎つくるは、電話を切ります。

 

すると、折り返し、沙羅と思われる人物から電話がかかってきます。

 

しかし、多崎つくるは電話に出ません。

 

そんな展開から、「結局1人が好きなんかい!」とつっこみを入れたくなってしまいました。

 

 

そして、最後の最後に、多崎つくるが、クロにかけるべきだった言葉が書かれてあるんですが、その言葉が、スマップの「夜空ノムコウ」の世界観に通じるものがあるなあと思ったりしました(この曲の作詞者のスガシカオさん自身が、村上春樹さんに影響を受けてるので、当たり前っちゃあ当たり前なのですが・・・)。

 

 

そして、結局、多崎つくるは、沙羅に会う前に、小説は終わります。

 

僕個人としては、多崎つくるが、クロに会いにフィンランドに行き、そして、フィンランドから日本に帰ってきて、沙羅と会う約束をし、沙羅と再会し、多崎つくると沙羅が正式に付き合うことになりました、という単純でハッピーな終わり方でもよかったんじゃないかなあと思ったりしました。

 

 

と、いろいろ書きましたが、村上春樹さんの小説は、基本的に好きです。